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2015年8月10日月曜日

つくば9耐の話

今年もやってきたつくば9耐。昨年は悔しい想いもしたし、走った手応えもあった。

今年の目的は、エースチームを表彰台に乗せること。

そのためのサポートチームに自分は入った。
正直に言うと、いろいろな理由があって、ギリギリまで集中力も調子も上がってこなかった。
6月に体調を崩してから、コンディションも低空飛行で。なんていうか、自分に対しても手応えがない感じがあった。

ただ「自分は何のためにこのレースに出るのか」をひたすら自問自答して、自分で自分の気持ちを上げて。
ギリギリになってメンタルを上げ、最後の悪あがきに大好きな都民の森に通いまくり、脚への刺激と、精神の統一をして臨んだ。

入賞狙いのチームは、隊長、zeroさん、miyaさん、Jimaoさん、くろちゃんの五人。

僕の入るサポートチームは、ヒデヲさん、まこさん、さとしさん、ヤスさん、kanaの五人。まこさんはエースチームからサポートへの異動。

そして、自由に走るチームに、やまぞうさん、イバヲさん、そうちゃん、そうちゃんJr.(残念ながら部活で故障してDNS)、すよよさんの、五人。

こんな布陣で臨んだ。

午前の部。サポートチームはなんとかエースチームをアシストしようと頑張るが、タイミングが合わなかったり、ようやく合流しても消耗したり、と戦略的に走る難しさを痛感した。それでもいくらかはサポートできていたと思うし、実際にエースチームの順位もよかった。

僕はうまくタイミングが合わなかった方で、結局10分程度でピット入り。貢献した感じかなく、とても焦ったけれど、無駄に消耗するより、フレッシュな脚で午後に賭ければいいと自分に言い聞かせていた。

午後の部は僕がスターターとなり、エースチームを引っ張るエースの中のエース、zeroさんをサポートすることになっていた。

不安はあったけど、目的は明確だったから、とにかく自分が前に出て、開始早々から前目のポジションに、彼を連れて行くこと、あとは回せる限りローテに入って、彼の体力を温存させること、この二つを目標にして、強く頭の中にイメージした。

そして午後のスタート。前から3列目くらいに位置取り、ローリングでも周りを見ながら位置取りを考える。
zeroさんは少し後ろに埋もれている感じだった。
コーナーでは、ラインが維持できずにインから膨らんでくる人や、アウトから被さってくる人もいて、この時点で既に嫌な感覚があった。

だからアクチュアルスタート後、隙間があったらポジションを上げていき、早めにzeroさんを前に連れ出すつもりで走った。振り返ると、大体同じくらいの間合いでzeroさんも付いてきていたから、おそらく意図は伝わっていたと思う。

アクチュアル二周目だったか、第二ヘアピン抜けてからのストレートで、それは起こった。

集団の形は、先頭を優勝候補のチーム達が引き、間に僕らを含むなかなか前に出たいけど出られないチーム、なんとなく真ん中にいる感じのチーム、そして、フラウブリッツェンの選手、という形。
明らかに先頭前目のポジションに行かないと危険な雰囲気だった。

コーナー脱出後の直線で、隙間ができたので少し前に出ることができたので、次のコーナーを抜けたら一気にかけて前に出よう、そう思っていた矢先。

僕の二人か三人前くらいで、ふらついた人がいて、肩が隣の走行者に当たって、当たられた方が転んだ。
この人が僕の走っていた列だった。僕の前が続けて転んだ。この辺から、記憶が曖昧だった。

可能な限りブレーキした。
落車を告げるために叫んだ。同時にクリートを捻った。
飛んだ視線の先に、僕のバイクが宙を舞っている姿が見えた。
両肩に鈍い痛みがあり、視界が真横になった。
視界の端で、見覚えのあるジャージがもう一人転んだのが見えた。

すぐに立ち上がり振り返ると、zeroさんも転んでいた。
一瞬絶望感に包まれたが、その前に事故処理しなきゃ、と思って、自分のバイク、誰かのバイク、立てなさそうな人、みんなで道の脇に退避した。

ヘルメットが割れて、頭から血を流している人もいる。
腕から血を流している人もいる。自分も軽傷だが、腕にチェーンリングの刺さった跡がある。
zeroさんは、身体は大丈夫そうだった。
無線で落車の旨を告げてくれていて、心強かった。

ある程度場が落ち着いたので、リスタートに意識が向く。幸い、僕のバイクはチェーンが外れただけ(とこの時は思っていたけれど実はヘッドがずれていた)だった。
しかし、zeroさんのバイクが走れる状態になかった。

リアホイールが曲がってしまっていた。

多分、その時は何も考えてなかったと思う。ただ目的だけが頭に強くイメージされていたから、瞬時に答えは出た。

ホイールを外し、zeroさんに渡した。最悪ピットまででも、走れるなら周回しても、どっちでもいいけれど、エースチームの歩みは止めてはいけない。
僕のチームは戻ってゆっくり交代したっていい。
だから迷いはなかった。ブレーキを調整しリスタートしたzeroさんを見送って、僕は回収車を待った。

回収車が来て、自転車を乗せてもらったあと、歩いて本部まで戻る。自転車とzeroさんのホイールを受け取り、担いで帰った。

ヒデヲさんが駆け寄ってきたので、アンクルタグを渡した。サポートチームもできるだけ早く復帰して、エースチームのリカバリーをサポートしなきゃならないから、当然のことだ。

そこからは、もうあんまり覚えてない。

みんなが頑張っている中で、何もできずにただ見守っていた。

「全然貢献できてないじゃん」

そんな思いばかりが大きくなった。そんなときに、同じく走れなくなったzeroさんが言った言葉。

「やれることやろう」

僕の中の色んな気持ちがこぼれた。


結果として、落車により80位台まで一時は順位を落としたエースチームだったが、みんなの頑張りで、午後の部だけで11位。総合的には9位へと返り咲いた。

みんなすごいよ。そう思っていたら、また自分だけ何もできていないな、という気持ちが湧いてきて、悔しくて、いたたまれない気持ちになった。

終わったあとの荷物の片付けのとき、誰もいないタイミングで、またこぼれた。

走れなくてもチームに貢献することはできる、できたはずだ、とただひたすらに自分に言い聞かせた。

今年のつくばは、今までで一番辛い一日だった。